2015年 神戸大学医学部 化学 過去問 解説
解答方式 | 時間 | 大問数 | 難易度 |
記述 | 75分 | 4問 | 標準 |
■設問別分析
大問 | 区分 | 内容 | |
1 | 凝固点降下 | 溶液の凝固点降下に関する問題。全問標準レベルである。完答したい。過冷却、固体-液体の平衡状態時の温度の下降線と凝固点の関係もその意味を含めて理解しておく。
問6凝固点降下の計算問題。パーセント→g→mol→イオンのmol→凝固点降下度のように単位系で計算順序を頭に組み立てておくと、解答がスムーズになる。 |
標準~やや易 |
2 | 炭化水素 | 炭化水素に関する問題。条件(a)からA,B、Cの分子式を決定する。まずはCは分子量30のアルカンになることからCnHmとするとnは2と決まる。水素が付加することから不飽和なので仮にC2H4と決める(アルキンの可能性もある)この分子量(28)より28大きいのがAなのでAの分子量56から、完全燃焼の実験よりAはアルケンであるため、AをCxH2xとすると分子量は12x+2x=56からx=4が定まる。これからBも分子量が42と決まり、同様にC3H6と決定できる。ちなみにCがアルキンであった場合(C2H2)分子量は26。このときAの分子量は54.前述のxが整数にならないためCはアルケンだったことが分かる。
問1はCがC2H4であることから容易に分かる。問2はクメン法に関する問である。問3AはC4のアルケン。幾何異性体がないことから、CH2CHC2H5と特定できることを根拠に解答。問4はクメン法の一部。問5はアニリンを作る過程だが、ヒドロキシ基が付いた二置換体であることに注意。(ベンゼンに二つの官能基がある)問5や問6はこれ以前の構造式がはっきりわかっていればおのずと解答になる。 |
標準~やや難 |
3 | アルカリ土類金属 | カルシウムを中心とした、アルカリ土類金属の問題。問1は基本。問2以降はCAC2O4・H2Oの熱分解。温度が上がるにつれ、反応しやすい順に化学変化が起こることが考えられる。問題文では言及はないが、水和水は容易に外れることから、最初の質量現象はH2Oがなくなったと考える。次は問題文のヒントから、CO→CO2の順に分解され、最後はCaOが残ることが分かる。 | 標準 |
4 | アミノ酸 | グルタミンとアラニンに関する問題。アミド結合とその結合ができる脱水縮合の正確な理解が問われる。双性イオンとその電離定数に関する問題はよく出る頻出の問題。誘導も丁寧であり、数学的な処理で解答できる。 | 標準 |